Photo by Lan Pham on Unsplash
私事で恐縮ですが、先週末は息子の七五三のお祝写真を撮るため、5年ぶりくらいに着物を着てみました。

すっかり着付けを忘れていたので、着るだけでかなり手間取ってしまいました。

ちょうど今の時期は、七五三や結婚式のハイシーズン。
着物を着る機会が多い時期ということで、着物のTPOと、選ぶべき似合う色についてお伝えしていきたいと思います。

着物のTPO

『着物って、なんだか小難しい』と思ってしまうことの一つに、時(Time)と場所(Place)と目的(Occasion)によって、いろいろ制約があるという点があげられます。

例えば、軽いおでかけの時に着る着物と、目上のかたにご挨拶に行く場合とでは、着ていく着物の種類やもちいる小物が違ってきます。

この他にも「更衣(ころもがえ)」と呼ばれる季節に応じた着こなしや、着物と帯の調和など、細かい決まり事もあるんです。

あげだすとキリがないのですが、ここでは結婚式に出席する場合や子供の節句の時など、割とフォーマルな時に着るべき着物の格3つをお写真とともにご紹介します。

訪問着

ミス・ミセスの制限なく正装として用いられます。

公式のパーティや結婚披露宴、入園式、入学式などの正式な場所へ着ていくなら、「紋(もん)」という昔でいう家紋を着物にあるものが望ましいとされています。

着物の模様は「絵羽模様」といって、着た時に全体が一つの絵のようになっている模様があしらわれたものになります。

訪問着

 

付下げ

「付下げ(つけさげ)」とは、着物を着た時に、模様がすべて上向きになっていることをいいます。

訪問着に比べて、やや気軽な着物です。

 

色無地

その名の通り、模様なしで染めた着物です。

色無地は、結婚披露宴、各種学校行事、お茶会、お見合いなどの改まった席から、ちょっとした集まりまで幅広く用いることができる着物です。

色無地に「紋」を入れることで、訪問着と同格になるため、一着持っておくと大変便利な着物です。

色無地

 

※身内の結婚式の場合、ミセスの場合は留袖が用意されると思いますので、ここではパーティで着る場合を指しています。

さて、着てもOKな着物の種類がわかったところですが、実はもう一つ重要な決まり事があるんです!!
それは・・・

主役より目立っちゃダメ!

当たり前ですが、結婚式にお呼ばれしたときも、七五三の時も、主役は「あなた」ではありません!

他人の結婚式に、金襴緞子の文金高島田で颯爽と登場してはいけないのです。

着物には、「格(かく)」と呼ばれる、ランクが存在します。

例えば、帯一つとっても丸帯、袋帯、名古屋帯など帯の種類によっても格がありますし、同じ「色無地」でも「紋」が何個ついてるかによって、格が違います。

子どもの着物が割とシンプルな柄に対して、お母さんの着物が超豪華絢爛の絵羽模様!となると、ちょっとアレレ??という感じになってしまいます。

あくまで、名脇役として慎ましい着物を選びましょう。

七五三
このくらいのバランスがよいですね。

メインの色は一番似合う色で

ここまで、お読みいただいたところで「着物一着買ってみようかな~?」とお考えの方もいらっしゃるかと思います。

そこで、絶対間違えたくないのは着物の色選び

上記に挙げた着物は、どれも「メインの色が一色、模様にメインの色に調和する色が使われている」というパターンがほとんどです。
このメインの色って、とっても大事だと思いませんか?

着物を購入するとなると、けっこう大きな出費となります。
ちょっとした遊び着ですら、採寸して仕立ててもらうと軽く三万円以上します。

もしも、そんな大金はたいて作った(またはレンタルした)着物が、全然自分に似合っていなかったら…。

そして、記念すべき集合写真に写ったその顔色が、「うわっ!私の顔色悪すぎ…!」だったら…。

考えただけでも、嫌になりますね。
そんな失敗をしないように、簡単にはなりますが選ぶべき色の見極め方をご紹介します。

こちらの絵をご覧ください。

4人の着物を着た女性の絵なんですが、左がイエローベースと呼ばれるタイプ、右がブルーベースと呼ばれるタイプです。
髪色と肌の色が微妙に違う点にご注意ください。

着物タイプ

イエローベース・ブルーベースの見極め方は、ざっくりですが次のとおりです。

【肌色】
・黄みが強い。日焼けすると黒くなりやすい。健康的な肌色。 ⇒ イエローベースタイプ
・ピンクっぽい。日焼けするとすぐに赤くなる。色白だねと言われることが多い。
⇒ ブルーベースタイプ【髪色】
・髪色は、黒より茶が強い。 ⇒ イエローベースタイプ
・髪色は黒または、ナチュラルなブラウン。 ⇒ ブルーベースタイプ

上記に当てはまらない!という方もいらっしゃるかと思いますが、自分が無意識に選んでいる服、友人に「似合う!」と言われた服の傾向なども考えると、どちらかに当てはまるはずです。

イエローベースタイプの場合は、AのほうがBよりも似合うことがわかっています。

Aのように黄みの強いピンクはとてもなじんでいるように見えますが、Bの青みのあるショッキングピンクの着物は、着物の色が浮いてみえませんか?

同様に、ブルーベースの場合も、Cは清楚な感じに、Dは顔色が暗く見えませんか?

もうお分かりですね。
つまり、ご自身が持っている色の傾向と同じタイプの色を選べばよいのです!

着物のように、色のイメージが強く、一色の面積が大きい場合は、似合う色を真剣に吟味しましょう。

これを機に、もっと正確に自分に似合う色を知りたくなったなら…
是非カラーコーディネーターにご相談ください♪